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:企画の原点・文章力をケータイで養う若者たち (2005/05/09)

最近、10代や20代の若者作家が名だたる文学賞を総なめにしている。僕は最初、この現象は本が売れない出版界が仕組んだ“話題作り”だと思っていた。だが、実際に彼らの書いた本を片っ端から読んで「すごい!」と、その文章力に感心した。

文章中には「‥‥‥」や「(笑)」など、明らかに携帯メールの影響と思われる表現が目立つ。全体のトーンもあっさりしており、サラサラと軽く流すように読める。そのため、いつしかハマって読み終えてしまう。そんな感じの小説だ。これはやはり才能なのだと思わざるを得ない。
文章力というのは、書き続けないと身につかない。どんな天才でも、たくさん書いて人に見せなければ感動を呼ぶ文章など書けない。その文章力を彼らは携帯メールで養っていたのだ。

青春時代は恋をする。恋は無償の行為だ。理屈なくラブレターを書く。交換日記を書く。それが今は携帯メールで行われている。人目につかず、証拠も残りにくい携帯メールだが、その中には思春期のエネルギーがあふれているのだ。
文学界で長く働いている僕の友人も、「やつらは、かつてないほどの文章力の10代だと思う。実際、ある文学賞への応募も2000を超える作品が送られてくるようになったんだぜ」と教えてくれた。

彼らの“修行の場”は携帯メールだけではないらしい。試しにパソコン向けの書評サイトを見てみたら、案の定、若者たちによる「書き込み」のオンパレードだった。

文章力は「企画」にとっての原点だ。頭の中で創造(想像)した世界を文字に置き換えたものが「企画書」だ。企画の力は、提案する相手のことを考えてたくさん企画書を書き、容赦ない評価を受けることで培われる。携帯メールとネット上の書き込みサイトは、そのための修行の場を若者たちに提供しているとも言える。ここから文学的な天才が育まれ、文壇に頭角を現すのは当然のことだと思うし、いずれは天才的な企画マンも登場してくることだろう。

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